2018年 2月 巻頭文
この30年~40年の間に大人中心で、どちらかというと子どもを
管理する子育てや保育・教育から、子ども中心とした子育てや
教育へと大転換がなされてきました。
子どもにも、私たち大人と同じように人格があり、一個の人間として
敬意をもって接しなければいけないと思います。
大人が中心となって、子どもを管理することは、子どもの人格を
無視することにもなります。
しかし、この「子ども中心主義」の考え方の中に、陥りやすい誤りが
存在することも事実です。誤りとは、「子ども中心」と
「子どもの言いなりになる」ことを混同してしまうことです。
「子ども主体」とした大人の接し方は、子どもの発達を、
子ども自身の力でなされていくことを援助することです。
そこには、子どもの言いなりになって、わがまま放題にさせるような
要素は見当たりません。
「子どもがこうしたがっているから…」
「子どもがこう言っているから…」
「子どもが欲しがっているから…」を全部充足させていたら
どういうことになるでしょうか、断念の経験がなく、
我慢することを知らずに育ってしまいます。
子どもの要求を、時と場合によっては我慢させることによって、
子どもは自ら考え、その場の状況に合った行動を、
見出すことができるようになっていくと思います。
子ども主体、中心の中でも、成長を見据えた我慢を一つでも
させてみてはいかがでしょうか。
フューチャーフロンティアーズ 野部 久美子